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資格を取るなら、簿記やMOSがオススメです!

就活で、スキルアピールのため、資格を取ろうとする人も多いのですが、ことクリエイティブ系の就活では、資格はあまり役に立ちません。なぜ役に立たないのか、あとは、じゃあどんな資格がいいのかをお伝えします。
まず、Web制作関連の資格というと、『Webクリエイター能力認定試験』が挙げられます。ですが、こと制作型の求人に関していうと、こちらの資格はあまり役に立たないと思います。
というのも、この『Webクリエイター能力認定試験』は、知識試験と実技試験が出題されるのですが、実技問題は、「問題文の指示に従って、簡単なサイトを作る」という形になっています(サンプル問題が公開されているので、興味のある方はダウンロードして解いてみてください)。
ですが、実際にデザイナーがデザインをするときは、もちろん自分で考えて作ります。ということは、指示通りサイトを作ることができても、自分なりのデザインを作れなければ、デザイナーとして働くことはできません。
ですので、デザイナーとして就活する時に、Webクリエイター能力認定試験を持っているだけだと、スキルのアピールとしては不足となります。
ただ、制作系以外の就活だと、メリットになることも考えられます。例えば、メインはデスクワークだけれど、その他にショッピングサイトや自社サイトの管理をするような仕事の場合だと、基本的な知識をわかっているという点で、就活で評価されるかもしれません。
あと、目指している会社が決まっている場合、その会社が得意としている分野の資格を取っておくと、アピールにつながるかもしれません。例えば、不動産関係のデザインを得意としている会社だったら、宅建やインテリアコーディネータを取得したり、取得出来なくても、関連資格の勉強をすることはプラスにつながると思います。
IT系なら難易度が高い資格を目指して!
PCを扱う仕事ということで、IT系の資格を考えている人もいるかもしれません。IT系の資格は国家資格でもあるので、一見評価されそうですが、一番簡単なITパスポートは特別プラスにはならないと思います。
というのも、ITパスポートはIT系の資格では一番簡単なのですが、本当に基本的な分野を扱います。ですので、これも事務系の求人なら、ある程度評価されるかもしれませんが、逆にWebサイトに関連する業務の場合、ITパスポートレベルの知識は当たり前のように知っておかないと、働いてから苦労すると思います。ですので、もしIT系の資格をアピールするなら、基本情報技術者試験以上が欲しいです。
資格を取るなら、簿記やMOSがオススメ!
さて、ここまであまり評価されない資格について触れてきました。それじゃあ、クリエイティブ系の就活では、資格でのアピールができないかというと、そうではありません。
もちろん、デザイン作成のスキルがあるというのが大前提ですが、就活でプラスになる資格もあります。
それは、簿記とMOSです。
簿記というと、経理職や事務職のための資格じゃないかと思うかもしれません。確かにそういった面もありますが、簿記は会社のお金の流れを理解するための資格です。どんなクリエイティブの会社でも、納品してお金をもらいます。会社を経営するために、かならずお金は必要です。
たとえ経理でなくても、そういったお金の流れ方を理解しておくと、制作するときの予算感も、より明確に認識することができます。アーティストなら、自分が納得するまで作業ができるかもしれませんが、デザイナーはクラインアントありきです。予算内でどうやって仕事をやりくりするか、そういった観点はとても重要です。
また、もし「いずれは独立してフリーランス」といった働き方を考えている人は、なおさら簿記が必要です。フリーランスとして働くときは、経費や税金といったお金周りを自分でやる必要があるのですが、簿記を取っておけば、自分一人で処理できます。
もし簿記をとるなら「日商簿記」一択です。書店で簿記関連の書籍を探すと、いくつかの簿記試験がありますが、知名度を考えると、やっぱり商工会議所が主催している日商簿記しかないでしょう。あと、日商簿記は初級から1級までありますが、まずは3級を目指してください。初級は別にして、一番簡単な級なのですが、財務の基本を理解するには十分です。
そして、もし余裕があれば、2級を取得することをオススメします。2級は、製造業の経理さんが使うような簿記なのですが、逆にいうと2級を取得すれば、3級以上に多くの業種の財務を理解することにつながります。ただ、1級は、税理士さんを目指す方が取得するしかくなので、さすがに必要ありません。
次にMOSですが、こちらはマイクロソフトのオフィス製品関連の資格です(Microsoft Office Specialistの頭文字を取ってMOS)です。こちらも、事務系の就活で、オフィスソフトのスキルをアピールするための資格と考えられています。
それでは、なぜクリエイティブ系でオススメするかというと、デザイナーを含めたクリエイティブの仕事でも、Officeソフト、特にExcelを非常に使います。例えば、サイト制作の進捗を管理したり、データをまとめたりするには、Excelのセルや関数が非常に役立ちます。
また、ネットショップ運営などでは、商品を一括登録したり、売り上げを分析するときなど、Excelは毎日使うソフトの一つです。例えば、今月の売上を集計・分析し、上司に報告するときなどは、サーバからCSVデータをダウンロードし、Excelで開いて、集計・グラフにまとめる、といった感じで使用します。
もちろん、やり方をインターネットで検索して使うのもアリですが、この方法では自分の知っている方法しか探せなかったり、もっと便利な機能があるのに気づけないかもしれません。そういった点でも、資格を取るかどうかは別にして、書籍を購入して一通り勉強してみることをオススメします。