学習環境の用意

まず、一口にデザイナーといっても、大きく分けると、チラシや書籍などをデザインするDTPデザイナーと、WebサイトをデザインするWebデザイナーの二つがあります。
企業でデザイナーとして働く場合は、DTPとWebの両方のデザインを行う場合もありますが、まずはどちらかのデザイナーを目指した方がいいと思います。

そして、ここではWebデザイナーを念頭において、進めていこうと考えています。といっても、デザインの基本はDTPもWebも変わらないので、DTPデザイナーを目指している方も参考にしてもらいたいです。

必要な知識・スキルの確認

まずは、デザイナーとして必要なスキル・知識について確認しましょう。

まず、配色やレイアウトなど、デザインの基本的な知識を学ぶ必要があります。
また、今はWebデザイナーがサイトのデザインを作成し、同時にコーディングも行うのが普通なので、HTMLやCSSなど、Webサイト制作の知識も必要です。
また、ショッピングサイトなどは、作って終わりではなく、作って公開してからが勝負なので、アクセス解析やSEOなどのサイト運営の知識も必要となります。

PCの用意

次に、作業のためのパソコンを用意します。ノートパソコン、デスクトップパソコンのどちらでも大丈夫です。
ただ、デザイン系の作業は、オフィス系の用途に比べてマシンへの負荷が高いので、ある程度高性能のPCが必要となります。

メーカー

メーカーは、どのメーカーでも大丈夫です。一応補足すると、海外のメーカーに比べて日本のメーカーは価格が高いので、なるべく費用を抑えたい場合は、海外メーカー(Lenovo、DELL、HPなど)をおすすめします。

OS

10年以上前だと、デザイナーはMacじゃないと駄目(Windowsに対応していない、印刷所がMacでしか受け取れないなど)ということもありましたが、今はそんなこともないので、WindowsでもMacでも大丈夫です。
ただ、Windowsは使っている人が多い分、使い方の説明やフリーソフトもMacに比べれば多くあるので、あまりパソコン操作に慣れていない人の場合はWindowsがいいかもしれません。

モニタサイズ

ノートパソコンを使う場合は、モニタサイズが15インチ以上のものを選ぶといいと思います。13インチだと、若干狭いですし、価格も13インチの方が若干高くなります。
また、デスクトップの場合は、モニタを自由に選ぶことができますが、こちらもあまり小さいと操作しづらいので、23インチ以上のものを選ぶことをおすすめします。

CPU

PCを購入する際に、一番大事な項目です。
まず、Mac選んだ場合は、選択肢はほぼないと思ってください。ただ、これまでMacで使われるCPUはIntel製のものが使われてきましたが、2020年にAppleが自社で開発したCPUが搭載されたマシンが発表されました。どちらでも構いませんが、古い周辺機器などは、新しいMacで使えないことが発生するかもしれません。
一方、Windowsの場合は、色々と選ぶことができますが、CeleronではなくCore iシリーズを選んでください。なぜなら、CeleronはCPUの能力が不足しており、作業に時間がかかったり、最悪、ソフトが動かない可能性もありえます。またCore iシリーズもCore i5以上を選んでください。

メモリ

こちらも、パソコンを快適に操作するために重要な要素ですが、最近だと8GB以上のパソコンが普通なので、そこまで気にしなくても大丈夫かもしれません。もし可能なら、16GB以上のパソコンを選べば、問題はないでしょう。
逆に、4GBだと、操作がもっさりしてしまうので、避けた方が良いです。

ソフトの用意

デザインを行うソフトですが、これはもうCreative Cloud一択です。デザイン系のソフトにもいくつか種類はありますが、仕事で使われるソフトはAdobe製品が基本なので、使い方を覚えるなら、Creative Cloudの使い方を覚えることが必要となります。

このCreative Cloudというのは、デザインソフトがまとまったパッケージのようなもので、その中に色々なソフトが用意されています。その中で、どのソフトを使う必要があるか、ですが
Photoshop
Illustrator
まずはこの二つを学習しましょう。

また、Webサイトを構成するHTMLやCSSを入力するためのエディタも必要となります。エディタにはいくつか種類がありますが、基本的に無料で使うことができるので、自分が使いやすいものを選んでかまいません。また、基本的な使い方に関しては、色々なサイトで紹介されているので、書籍を購入する必要はないと思います。

ブラウザ

意外かもしれませんが、ブラウザも重要なソフトの一つです。昔と違って、ブラウザ間の差異は、今ではほぼありませんが、あるブラウザではサイトが表示されるが、あるブラウザではきちんと表示されないことが、たまにあります。そういったことを事前に確認するために、基本的なブラウザ(Edge、Chrome、Firefox、Safari)を用意しておきましょう。

書籍の購入

Webサイトの作り方やソフトの使い方について、今ではいろいろなサイトがありますが、まずは書籍を購入し、そちらを使って勉強した方がいいと思います。というのも、サイトの場合は情報が古い場合もあったり、今では間違っている場合もあります。ある程度勉強すると、そういった情報が正しいのかどうかわかるようになりますが、最初のうちは市販の書籍の方が安心だと思います。
また、書籍を買うさいに、安いからと昔の書籍を買うこともお薦めしません。というのも、Web技術の進化は本当に早く、せっかく覚えた知識がすでに使わないものになっている可能性もあります。ですので、多少値が張ったとしても、ここ1、2年に出版された書籍を購入することをお勧めします。